外反母趾の方に多い歩き方とは?足の専門家が解説する3つの特徴と改善のポイント

外反母趾の人は、どのような歩き方をしているのでしょうか。
「親指を使えていない気がする」「靴を履くと歩きにくい」と感じていても、自分の歩き方の問題点はわかりにくいものです。
結論からいうと、外反母趾のある人には、歩行中の親指への荷重が変化する、歩く速度が遅くなる、足首やかかとの動きに違いが生じる、といった傾向が報告されています。
ただし、すべての人に共通する歩き方があるわけではありません。
今回は、研究結果と足部のしくみをもとに、歩行を見るときのポイントを解説します。
外反母趾の人にみられる3つの歩行の特徴
1,親指への体重のかかり方が変わる
歩行では、踵が接地した後、足裏にかかる体重の位置が前方へ移り、最後に前足部と足趾が地面を離れます。
このとき母趾(足の親指)とその付け根の関節は、体重を支えながら足が前へ進む動きに関わります。
外反母趾では、母趾が第2趾の方向へ傾き、付け根の関節(第1中足趾節関節)の位置関係が変化します。
そのため、歩行時の母趾への荷重が変わることがあります。
2025年の研究をまとめた分析では、靴の中で計測した場合、外反母趾のある人は母趾にかかる力が小さい傾向が報告されました。
ただし、床に設置した測定器では結果が一定せず、「外反母趾なら必ず親指に体重が乗らない」とは言えません。
2,歩行速度が遅くなることがある
外反母趾のある人とない人を比較した2023年の系統的レビューでは、外反母趾群の歩行速度が平均して約0.16m/秒遅いという結果が報告されています。
母趾の付け根に痛みがあると、踏み込む時間を短くしたり、歩幅を控えめにしたりすることが考えられます。
ただし、歩く速さには年齢、筋力、関節の動きなども関係するため、速度だけで外反母趾の影響を判断することはできません。
3,踵や足首の動きが変わることがある
外反母趾は前足部の変形ですが、歩行中の動きの違いは親指だけに限りません。
研究では、歩行の後半における後足部(踵周辺)や足首の動きにも差が報告されています。
例えば、足が地面に着いてから離れるまでに、踵がどのように傾き、体重がどこを通って前方へ移動するかは、確認したいポイントです。
ただし、外反母趾の人が必ず足を内側へ倒して歩くというわけではありません。
外反母趾と「過回内」は関係する?

歩行時に足が内側へ傾く動きには「回内」があります。
回内は衝撃を受け止めるためにも必要な正常の動きです。
一方、回内が大きすぎる、あるいは適切なタイミングで切り替わらない状態は「過回内」と呼ばれます。
過回内がみられる場合、母趾の付け根にかかる負担や足の使い方を検討する材料になります。
そのため、過回内がある足では外反母趾になるケースが多いです。
しかし、過回内だけで外反母趾が起こるとは証明されていません。
足の骨格、加齢、靴の形、関節の状態など、さまざまな要因が関係します。
また、すでにある外反母趾の痛みを避けるために歩き方が変わっている可能性もあります。
「歩き方が変形を起こした」のか「変形や痛みによって歩き方が変わった」のかを、一度の歩行観察だけで決めることは難しいです。
自分の歩き方をチェックする3つのポイント
安全な平らな場所で、普段どおり数メートル歩いてみましょう。
家族に後ろや横から見てもらう、短い動画を撮る方法もあります。
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左右差:片方だけ歩幅が小さい、足を着く時間が短いなどの差はないか。
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足の向きと踵:つま先が極端に外を向いていないか。左右で踵の傾きに大きな違いはないか。
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親指の付け根の違和感:足を後ろへ残して次の一歩を出すとき、痛みや引っかかりはないか。
これらは気づきを得るための目安であり、外反母趾の程度や原因を自己診断する方法ではありません。
痛みがある場合は無理に歩き続けないようにしましょう。
歩き方が気になる時にできる対策
靴のサイズを見直す
まず確認したいのは靴です。
指先が細い靴や幅が広すぎる靴は、母趾の付け根を圧迫することがあります。
つま先部分に適度な幅と高さがあり、踵が安定する靴を選びましょう。
靴の踵部分を左右から押してみて、型が崩れないようであれば踵が安定しやすい靴だと予測できます。
靴のサイズ表示だけで判断せず、実際に履いて歩いて確かめることも大切です。
なるべくネットなどで購入せず、試着することをお勧めします。
無理に親指で「強く蹴る」の歩き方をしない
親指への荷重が気になるからといって、意識的に強く踏み込む必要はありません。
痛みがある状態で歩き方を急に変えると、かえって不快感が増す場合があります。
歩く距離や速さを調整し、負担の少ない範囲から始めましょう。
痛みがない範囲で足趾をゆっくり動かし、こわばりがないかを確認することも一案です。
足整体MILが外反母趾の歩行評価で重要視すること

当院では、外反母趾の角度だけでなく、足にどのように体重がかかり、その状態でどう歩いているかという視点を大切にしています。
確認する項目には、母趾の付け根の痛みや動き、足趾の使い方、足関節の可動域、立位の荷重バランスなどがあります。
さらに、距骨(足首の中心にある骨)と踵骨(かかとの骨)の位置関係、踵の傾き、歩行中の体重移動もあわせて考えます。
ポドスコープなどによる足裏の接地状態の確認と歩行観察を組み合わせることで、静止しているときの足の形だけでは捉えにくい特徴を整理します。
なお、接地状態だけで歩行時の力の大きさや原因が確定するわけではありません。
まとめ | 外反母趾の歩き方は「親指だけ」では判断できない
外反母趾では、母趾への荷重、歩行速度、足首・かかとの動きに違いがみられることがあります。
ただし、特徴の出方は人によって異なり、「正しい歩き方」を一つに決めることはできません。
大切なのは、痛む場所だけでなく、足全体の動きと荷重のかかり方を一緒に確認することです。
外反母趾の症状や足整体MILでの考え方について詳しく知りたい方は、足整体MILの外反母趾専門ページもご覧ください。
参考文献・医学的根拠
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Rosemberg DL, et al. (2023). Biokinetic Evaluation of Hallux Valgus during Gait: A Systematic Review. Foot & Ankle International. PubMed
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American Academy of Orthopaedic Surgeons. Bunions. Ortho







