長時間歩くと足首の外側が痛い | 過回内と足首の可動域に着目した30代男性の症例
症例概要
30代・男性
左足首の外側に痛みがあり来院されました。
普段の短時間の歩行では大きな問題はありませんが、長時間歩いたときに左足首の外側が痛くなるとのことでした。
また、正座のように足首を深く伸ばす動きでも痛みを再現することができました。
過去には、距骨にできた骨棘を手術で除去した既往があり、足首周囲の形態や可動性にも特徴がみられる症例でした。
患者さんのお悩み
主なお悩みは、
- 長時間歩くと左足首の外側が痛くなる
- 正座をすると足首の外側に痛みが出る
- 歩く時間が長くなるほど症状が気になる
というものでした。
足首の外側が痛い場合、腓骨筋などの筋肉だけが原因とは限りません。
今回は過去の手術歴もあったため、足首の関節の動きや足部のアライメント、立ったときの重心位置まで含めて評価しました。
来院時の評価
足部を確認すると、特に以下の特徴がみられました。
① 強い過回内
立った際に足部が大きく内側へ倒れ込む過回内傾向がみられました。
過回内が強くなると、足首周囲の筋肉や関節に繰り返し負担が加わる可能性があります。
② 足首の内反制限
左足首は、足裏を内側へ向ける「内反」という動きが大きく制限されていました。
過去に距骨の骨棘を除去する手術を受けており、外果周辺にも変形・肥大がみられたため、こうした構造的な変化が足首の動きに影響している可能性があると考えました。
③ 腓骨筋の緊張・短縮
足首外側を走る腓骨筋にも緊張がみられました。
長時間歩行時に足部を安定させようとして、腓骨筋へ負担が集中している可能性が考えられました。
④ 重心位置と足趾の接地
立位では重心位置にも偏りがみられ、足趾で床を十分に捉えにくい状態でした。
なぜ症状が出ていると考えたのか
今回の症例では、足首外側の痛みを単純な「筋肉の張り」だけとは考えませんでした。
過去の手術や外果周辺の形態変化によって足首の可動性が制限され、その状態で強い過回内を伴いながら歩いていることで、足首外側に繰り返しストレスが加わっていた可能性があると考えました。
さらに、足部が内側へ崩れるのを支えるために腓骨筋などが過剰に働いていた可能性もあります。
一方で、足の内側を支える後脛骨筋の柔軟性も低下していたため、
「関節の動き」
「筋肉のバランス」
「足部のアライメント」
をまとめて整える必要があると判断しました。
実際に行った施術
初回は足部を中心に施術を行いました。
まず、足部全体のアライメントを確認しながら関節の動きを調整しました。
さらに、足関節の動きに関係する距骨の滑走性を改善することを目的にアプローチしました。
筋肉に対しては、
- 腓骨筋の緊張・短縮の軽減
- 後脛骨筋の柔軟性向上
を目的として調整を行いました。
単純に痛みのある足首外側だけを施術するのではなく、足部全体が安定して動ける状態をつくることを意識しました。
施術後・その後の経過
初回施術後に、来院時に痛みが出ていた正座の動きを再確認しました。
すると、正座で誘発されていた足首外側の痛みは消失しました。
また、立位では重心位置にも変化がみられ、患者さん自身からも、
「足の指がしっかり床についている感じがする」
という感覚が得られました。
施術から数日経過したあとも、以前であれば痛みが出ていた長時間歩行での症状は軽減していました。
その後も数回施術を継続し、経過を確認していったところ、最終的には長時間歩行時の痛みもみられなくなりました。
院長解説
足首の外側が痛い場合、
「外側の筋肉が硬いから」
「昔捻挫したから」
と一つの原因だけで考えるのは難しいケースがあります。
特に今回のように足首の手術歴がある場合、関節の形や動きが変化し、その状態に身体が適応しながら長期間歩いている可能性があります。
そのため重要なのは、痛い場所だけではなく、
足首がどの方向に動きにくいのか、足部がどのように崩れているのか、どの筋肉に負担が集中しているのか、歩くときに足裏をどのように使っているのか
まで確認することです。
足整体MILでは、足首の痛みであっても、関節の動き・足部のアライメント・重心位置・足趾の接地・歩行まで含めて評価し、症状につながっている要素を探していきます。
同じ症状でお悩みの方へ
長時間歩くと足首の外側が痛くなる場合、痛みのある場所そのものだけでなく、足部の使い方や足首の可動域が関係していることがあります。
特に、
- 過去に足首の捻挫や手術をしている
- 土踏まずが潰れやすい
- 足首が硬い、動かしにくい
- 長く歩くと足首外側が痛む
- 正座や足首を伸ばしたときに痛い
といった方は、足首だけでなく足全体のバランスや歩き方まで確認することが重要です。
なお、手術歴がある場合や、腫れ・熱感・強い安静時痛などがある場合には、骨や関節の状態を確認するため、必要に応じて整形外科などの医療機関で検査を受けることも大切です。







