症例概要
70歳・男性
左足の外反母趾部分と、左第2〜3趾の付け根付近に、歩いたときの痛みがあり来院されました。
足の状態を確認すると、外反母趾だけでなく、立ったときに足部が内側へ倒れ込む過回内足傾向や、歩行時に母趾をうまく使えていない様子がみられました。
また、普段履いている靴を確認したところ、足に対してのサイズがかなり大きく、靴の中で足が不安定になっている状態でした。
患者さんのお悩み
主なお悩みは、
- 左外反母趾部分の歩行時痛
- 左第2〜3趾の付け根(MTP関節付近)の歩行時痛
でした。
特に「歩くと痛い」という状態だったため、痛みのある場所だけを見るのではなく、立ったときの足の形や歩き方、足趾の使い方まで確認していきました。
来院時の評価
身体の状態を確認していくと、主に以下の点がみられました。
① 足部の過回内
荷重した際に足が内側へ倒れ込む傾向があり、前足部への負担が偏りやすい状態だと考えられました。
② 母趾の蹴り出しが弱い
歩行時、本来であれば最後に母趾側を使って身体を前へ進めていきます。
しかし今回は母趾での蹴り出しが弱く、第2〜3趾側へ負担が集中している可能性を考えられました。
③ 股関節の伸展が少ない
歩行を確認すると、足だけではなく股関節を後方へ伸ばす動きも少ない状態でした。
股関節が十分に使えないと、歩行の後半で身体を前へ運びにくくなり、足部での蹴り出しにも影響することがあります。
④ 靴のサイズが大きい
履いていた靴が足の実寸に対して大きく、靴の中で足が動きやすい状態でした。
靴が大きすぎると、歩行中に足趾で靴をつかむような動きが出たり、前足部への負担につながったりする可能性があります。
なぜ今回のお悩みが発生しているのか
今回の症例では、単純に「外反母趾だから痛い」とは考えません。
過回内によって足部が内側へ崩れやすくなり、さらに母趾での蹴り出しが十分に使えていないことで、外反母趾の部分と、第2〜3趾の付け根付近へ負担が集中していた可能性があると考えました。
また、股関節の伸展が少ないことも、歩行時の蹴り出しを弱くする一つの要素になっている可能性があります。
つまり、足の形だけではなく、「歩いたときにどこへ負担がかかっているのか」を見ることが重要な症例でした。
実際に行った施術
初回は、まず足部の状態を整えることを優先します。
過回内傾向や前足部への負担を考慮しながら、足部の関節や周囲組織に対して調整を行いました。
特に距骨(足首の骨)、踵骨(踵の骨)にアプローチしていきます。
今回は初回ということもあり、股関節への本格的なアプローチは行わず、まず足部を調整した際に歩行時の症状がどのように変化するかを確認しました。
また、施術だけではなく、普段使用している靴についても確認し、足のサイズを実際に計測し、足に合った適正サイズの靴を選ぶようアドバイスしています。
その後の経過
初回施術後に歩行を確認したところ、来院時と比較して歩行時の痛みは軽減しました。
ただし、1回の施術だけで原因がすべて解消したと判断することはできません。
今後は症状の経過を確認しながら、母趾の使い方や歩行、必要に応じて股関節の動きなども含めて評価していく予定です。
院長解説
外反母趾や足の指の付け根が痛い場合、痛い部分そのものに原因があるとは限りません。
特に第2〜3趾の付け根に痛みが出ている方では、
「母趾がうまく使えているか」
「足が内側へ崩れすぎていないか」
「股関節まで使って歩けているか」
「靴のサイズは合っているか」
といった部分まで確認することが大切です。
足整体MILでは、痛みのある場所だけではなく、足部のアライメント・関節の動き・姿勢・歩行まで含めて、なぜそこへ負担が集中しているのかを評価することを大切にしています。
同じ症状でお悩みの方へ
「外反母趾だから仕方がない」
「年齢のせいだから仕方がない」
と思っている方でも、歩き方や足の使い方、靴などを見直すことで、負担を減らせる可能性があります。
外反母趾の痛みだけでなく、第2趾・第3趾の付け根の痛み、足裏の前側の痛み、歩くと足先が痛くなるといった症状でお悩みの場合も、一度「痛い場所に何が負担をかけているのか」という視点で足全体を確認することが重要です。
※症状の改善には個人差があります。また、強い腫れや安静時痛、外傷後の痛みなどがある場合は、骨折や関節疾患などを除外するため医療機関での検査が必要になることがあります。
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